ロザリオのビーズは小振りですが真珠貝を綺麗に磨いて球にしたもので、それぞれに美しく光を宿します。プレートには聖母子像とイエス・キリスト像が表裏に浮き彫りにされ、クロスのキリスト像とともに長い時の流れで磨耗した様子はありますが、その古いものならではの質感が真珠貝のビーズととてもよく合って、本当によい雰囲気を漂わせています。
合わせた祈祷書もシックな黒い革装に縁取りの金属は艶光りして、その古色を帯びたダークな佇まいはロザリオとぴったりです。聖家族、蛇を踏むマリアの図版が納められ、どちらもとても表情豊かな仕上がりになっています。中にかつての持ち主と思われるサインが見られます。

祈祷書には出版年の記載がありませんが、売り主からの情報では1867年とのことで、フランス、ディジョンでの出版です。ロザリオもほぼ同時代かもう少し新しいフランス製と思われます。
サイズは祈祷書が約7×10.5センチ、厚さが約2センチです。ロザリオは、クロスが約1.8×3センチ、チェーン部分の長さが約46センチ、クロスとチェーンをつなぐ部分が約9センチです。ロザリオは本来、首からかけるものではないため、チェーンを切り離す環がついておりません。どうぞご注意ください。
古いものですので、どちらにも傷、汚れがあります。