凛とした表情の幼子イエスが十字架を手に異形のものを踏みつけにしています。「救済は十字架にあり」という文言が記され、人類救済の象徴として十字架を描いたものでしょうが、それにしても幼い姿でこのように凛々しいイエス様も珍しいのではないでしょうか。周囲に施されたレース状の切り紙細工カニヴェも見事です。
合わせたメダイのひとつ目はプラハの幼子イエス像です。こちらはスペインの王女によって当地に持ち込まれ、1628年に勝利の聖母教会に納められました。その後、この像を祈ることで多くの奇跡が起こり、現在まで崇拝の対象となっています。
もうひとつは祝福を与える聖母子像が浮き彫りにされ、裏面には聖心を表す燃える心臓を示す成人したイエスの姿が浮き彫りにされています。とても雰囲気のある仕上がりで、さらに積もる古色がその魅力を増しています。周囲に「カルメルの聖なるおとめ」との文字が見えますので、こちらは12世紀、パレスティナで起こったカルメル修道会にまつわるものでしょう。

ホーリーカード、メダイともに19世紀から20世紀初頭までのフランス製と思われます。
サイズは、カードが約7×10センチ、聖母子像のメダイが直径約2センチ、プラハの幼子イエスが約1.4×1.8センチです。
古いものですのでカード、メダイともに傷み、汚れがあります。