オペラバッグは別にイブニングバッグとも申しまして、もともと夜会などの正装の際に用いられるフォーマルアクセサリーです。そのため、実用のバッグよりも小振りで、ビーズなどで飾られた装飾的なものが多くみられます。
こちらのお品も小麦色のビーズの地に、黒いビーズで装飾を施しています。角度によって細かいビーズに宿る煌めきが夜の照明に艶やかに映えることでしょう。柔らかい小麦色に深みのある黒の取り合わせ、どこか秘密めいた植物を思わせる意匠がとてもシックで、パーティに相応しい華やかさを持ちながらエレガントな佇まいです。
さて、幾時代かが過ぎた雰囲気をまとうこのバッグを、どのような装いに合わせましょうか。実用的な大きさのバッグの中に入れるバッグインバッグとしても素敵です。

『私の18歳の社交界デビューは、年の離れた兄がエスコートしてくれました。母が祖母の洋服箪笥から出してきたドレスとバッグは、少し時代遅れな気がして好きになれませんでしたが、それらはまだ軽はずみだった私に優雅な魔法をかけてくれたのでしょう。
「あのシックなオペラバッグにやられたのさ。」今になって夫は、冗談めかして笑いながら、そう私に話すのです。』　　（ただの作り話　その5）

20世紀前半までのフランス製で、サイズは横幅の最大が約13センチ、縦が約10センチです。
iPhone は入りませんでした。
金属の枠部分、鎖に錆があります。軽く触った程度では大丈夫ですが、白い布にこすりつけたりすると色がつきます。また、ビーズに欠損があり、内外に汚れがあります。