麗らかに晴れた午後4時の義眼
風もなく穏やかに晴れた一日が、少しずつ終わりに近づいています。柔らかな陽が地平線へと傾いて、空の優しい水色がほんの僅かに緑を帯びてきました。その陽光から遠く離れた空では青が次第に濃さを増して、やがて逢う魔が時へと向かう気配です。
この義眼は、黒目の周りから黄色みを帯びた薄いオレンジが光を放つように湧き出し、その外側の水色を背景に青や白の線が放射状に踊る虹彩は、かすかに緑を帯びた淡い青が光を含んで深みを増したとでもいうような印象です。このなんとも微妙な美しさには、傾いた日差しとともにひと時、天空に見える青空の色という形容はいかがでしょうか。
その外側の環は美しい青が闇に吸い込まれるような黒みを帯びた濃い青に見えますが、驚くことに光の加減で青紫の姿を表します。この瑞々しく美しい色彩の景色はもはや自然界で目にできるものではありませんが、透明なガラスとそこに宿る光が生み出す幻想の世界とすれば、ここに夢と現の境界があるのかもしれません。
20世紀初めの頃までのドイツ製です。画像の黒い箱の1辺が約3.7センチですので、お品物のサイズの参考にしてください。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。