無原罪のマリアのホーリーカードと巡礼メダル
花の姿が浮き上がるレース状の切り絵細工が見事なホーリーカードです。中央に蛇を踏む聖母マリアが描かれ、下に「無原罪の御宿り」と記されています。これは聖母マリアがあらゆる罪から守られていることを象徴する姿です。
この版画に紙細工を施した美しいカードはもともとは修道女たちによって作られたもので、カニヴェと申します。
メダルにも祈る聖母の立像が浮き彫りになり、その周囲に無原罪のマリアであるという言葉があります。裏面には、パリの南方、フランス中部リモージュ教区からさらに南西のルルドへの巡礼を示す文字が刻まれています。3世紀にリモージュにキリスト教を布教した聖マルシアルの胸像が浮き彫りにされ、そこに添えられ、あしらわれたリボンにも縫い取られた "SM" は彼を表します。9世紀にはこの聖人の墓の上にサン・マルシャン修道院が建てられ、リモージュは巡礼路の中継地として繁栄しました。そのような訳で、もちろん表面の像はルルドの洞窟に現れた聖母の姿であり、この古色を帯びたメダルは当時の聖母巡礼を今に伝えているのです。
ホーリーカードの裏の手書きの文の中に1864年の記述が見えますので、カードはこの時期のフランス製でしょう。メダルはほぼ同時代かもう少し新しくて、20世紀の初めまでのフランス製と思われます。
サイズはカードが約7×10.5センチ、メダルがリボンを含まずに約2.2×3.8センチです。
古いものですのでどちらにも欠けや傷み、汚れがあります。
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