花のサフィレットブローチ
カボションカットのサフィレットが5つ置かれたブローチです。サフィレットグラスは19世紀の中頃からボヘミアで製作され、光線の加減で中に様々な色の光が浮かび上がる特徴を持っています。その製作は20世紀の初頭で途切れ、現在ではその正確な製法はわからなくなりました。理由としては、閉じられた工房でのみ製作され製法が門外不出であったというものの他、諸説がありますが、何れにしても現代では再現不可能な技術のひとつとされています。
こちらのお品は少しくすんだローズピンクのサフィレットが花弁のように配置されています。薄暗い所でもほんのりと青みを感じさせ、次に訪れる変化の予兆のような姿が幻想的です。落ち着いた室内光で秘めたものが表面に現れるように瑞々しく水色を浮かべ、さらに光線を浴びると、まるで内から発光しているように鮮やかな水色の光を放ちます。ブローチの動きによって水色の光も移動し、それはくるくるとダンスを踊っているようにも見えます。
周囲にはカットされたクリアのペーストガラスが配置され、こちらもその角度によって煌めきを放ち、サフィレットの艶やかな表情を引き立てています。
なお、裏側に環がありますので、ペンダントとしてもお使いいただけるかと思います。
19世紀中頃に考案されたサフィレットが最も盛んに造られたヴィクトリア朝後期のイギリスで製作されたブローチで、サイズは横幅が最大約3.2センチ、縦が最大約3センチです。
古いものですのでサフィレットの表面に傷があり、他にも傷、汚れがあります。
なお、使用されているサフィレットおよびペーストについては買い付け時の情報により、その後、正式な鑑定は行っておりません。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。