色彩誕生の義眼
虹彩の外縁はほとんど黒に近く、この大胆なリングはもはや人の眼とは思えないほど衝撃的です。そこから黄、白、緑、水色などの筋がうごめきだし、虹彩全体としては少しくすんだ黄緑色で、それが黒目のすぐそばで赤みを帯びた蜂蜜色へと移ります。
深い闇から色彩が芽吹く。澄んだガラスの底には、少しくすんだ色彩が複雑に混ざり合う世界があります。その混沌の中に生命を暗示する緑、水を暗示する薄青、熱を暗示する赤などが見え隠れして、やがて訪れる光を予感させる。まるで神話の始まりを見ているような原始の美しさを感じさせる義眼です。
こちらは裏が半透明なので、光で目を傷めないように注意しながら、裏から光を当てて見てください。黒目の闇から光が誕生するような景色をご覧いただくことができます。
20世紀初めの頃までのドイツ製です。画像の黒い箱の1辺が約3.7センチですので、お品物のサイズの参考にしてください。
白目部分の表面で、毛細血管の細工の糸が微かに指に触れる箇所がありますが、ひびや割れではありません。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。