かつて、蝋燭の灯りのもとでダイヤモンドの煌めきを放つと言われたガラスの粒がありました。
19世紀、上流階級では豪華なジュエリーを散りばめた装飾品が流行しました。もちろん、それは大変高価で、多くの宝石を用意できない人、また用意できても盗難を恐れる人たちは、その美しさを再現したものを夜会服につけたのです。上流階級にも受け入れられたそれは透明度の高いガラスに精巧な研磨を施したもので、19世紀、ヴィクトリア朝に技術のピークを迎え、ラインストーン、ペーストガラスなどと呼ばれ、前述の通り蝋燭のもとでダイヤの煌めきと賞賛されたのです。
こちらは、クリアでよい煌めきを放つペーストガラスを選びました。
まず、ブローチは、まるで深海を漂いながら発光するクラゲのような意匠で、着けた方の動きに合わせてゆらゆら揺れる5つの脚部も素敵です。
指輪はチェコ製のペーストガラスで、一層エレガントな煌めきをまとい、台座はスターリングシルバーです。

ブローチ、指輪、ともに20世紀前半までのイギリス製です。
サイズはブローチが約3.5×6センチ、指輪のガラスが並んだ部分の横幅が約2センチで、リングは日本の規格でだいたい16号相当です。
古いものですのでどちらにも若干の傷、汚れがあります。