手彩色版画 「小さなレディ」
精緻な版画に改めて生命を吹き込むかのような手彩色を施した美しいポートレイトです。こちらは18世紀から19世紀前半にかけて活躍したイギリスの版画家でイラストレーターのチャールズ・ヒースによる "Heath's Book of Beauty"からの一枚です。彼は、上流階級の女性たちの肖像画を集めたこの本を1832年に出版し、たちまちベストセラーとなりました。
こちらは "Lady Elizabeth Lawson" 、描かれたのはヴィクトリア朝に変わる直前のジョージ朝末期のことで、イブニングドレス姿でしょう。優雅な巻き髪、豪華なリボンやフリルに飾られたエレガントなドレスは、当時の上流階級のお嬢様の暮らしの一端を伝えています。はにかむように眼差しをそらす表情から添えられた薔薇の一輪に至るまで、現代の写真よりもむしろ生き生きと、この女性の気配、生命感、気持ちの流れからこの室内の空気までも今に蘇らせるかのようです。カラー写真など望むべくもなかった時代の、素晴らしい技術が結晶した作品です。
1835年、ロンドンにて出版。サイズは、絵が約8.6×11.3センチ、ページの全体が約12.4×19.5センチです。
古いものですのでシミや汚れ、傷がありますが、絵の部分に大きな損傷はありません。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。