ガラスを型に流し込む手法で作られた香水ビンで、pressed glass などと呼ばれています。その製法から、とてもデコラティブなデザインが特徴です。
こちらは、アールデコらしい直線が複雑に刻まれ、さらに突き出した角が深く刻まれた造形に明るく華やかに光をまとうのですが、ガラスそのものがかすかに黒みを帯びた質感で、澄んだ光を含むガラスからはクールな雰囲気が漂います。20世紀前半、アメリカ合衆国製で、特に、この広がりのある栓の持ち手は1940年代に流行したもののようです。19世紀、富裕層の持ち物だったクリスタルガラスに劣らないガラス器を、より優れたデザインで一般に提供するというアメリカらしいアイデアに溢れた香水瓶です。

サイズは、全体の高さが約16センチ、栓の持ち手の最大幅が約7センチです。
栓の本体と抜き差しする部分に欠けがありますが、時代の割りにはよい状態です。
こちらのお品はクリスマスセールの割り引き対象外ですのでご注意ください。