聖母子像
古い像は不思議なもので、そこに降り積もる汚れ、剥がれ、傷や欠損、そして修復の痕跡が幾重にも表情を与え、いつしか唯一無二の姿が誕生するのです。
こちらもその典型と言えそうなお品で、彩色されていないことも幸いして、長い長い時間が少しずつもたらした古色、陰影を深めた表情が多くを物語っているように思われます。聖母のお顔は口を固く結んだ表情からかすかな悲哀が、幼いイエスからは慈愛と知恵、しかし穏やかさではなくシリアスな緊張を感じ取るなどと言ったら、考えすぎでしょうか。多分、この像は見るものの心を写す不思議な鏡の役割をするのかもしれません。さて、あなたの目には一体どのように映るのでしょう。
像は大型で存在感がありますが、ふたりの表情から身体、服の襞に至るまで動きのあるよい造形になっています。
製作年の詳細は不明ですが、売り主の情報によれば19世紀中頃とのことで、いずれにしても古いフランス製です。
サイズは、高さが約32センチです。
前述のとおり、各所に欠損、傷、剥げ、汚れがあり、修復の痕跡もあります。
こちらはクリスマスセールの割引対象外ですのでご注意ください。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。