編み込まれた網目まで細かく彫り込まれた小さなゆりかごに、綺麗なエンジのエナメルの蓋が付いています。その蓋を開けると中にはブランケットが敷かれ、赤ちゃんを寝かせるばかりになっているのです。これは旧約聖書、出エジプト記の始まりのモーセの出生に因んだペンダントです。
当時、ファラオはヘブライ人の新生児を殺害するように命じていたため、モーセの母は産まれた彼を隠します。しかし、数ヶ月後、隠しきれなくなり、パピルスで編んだ籠に入れてナイル川に流しました。それをファラオの王女が拾い上げモーセと名付けたのです。現在、ベビーベッドのことを英語で "Moses basket" と言うのもこのエピソードに由来しています。
このペンダントは、まさにそのパピルスの籠を模したものです。素材は純度80%のシルバー800を金色に彩色したもので、1920年代、アール・デコの時代にイギリスでお守りとして作られました。本来は、中に小さな赤ちゃんが入っていたはずですが、それは失われています。上記のモーセに因んで産まれた子どもの健やかな成長を願って、あるいは身を守るアイテムとして使われたのでしょう。
さて、あなたなら何をこのブランケットに横たえますか。実際には置くことができなくても、あなたにとって大切なものをここに優しく潜ませるイメージとともに、この揺りかごを身につけてみてはいかがでしょうか。

サイズは約1.3×0.9センチです。精巧な細工ですが、大変小さいのでご注意ください。チェーンは現行品で約43センチです。
古いものですので、エナメルに傷があり、ほかにも傷、汚れがあります。