栗色の髪のブローチ
深みのある栗色と台座のしっとりした金色のコンビネーションがとても美しいブローチです。こちらは栗色の毛髪を綺麗に編み上げたものです。お亡くなりになった、あるいは遠くへ行ってしまいもう会うことはできない、そういう方の思い出を常に身近に置きたいという想いから造られました。
これと同時代の印章に「もはやその姿は見えずとも、心寄せる思い出はなお」(原文は英語)と彫られたものがありますが、まさにそのような気持ちを形にしたお品と言えましょう。この美しい栗色を目にすれば、この髪の方も未だ生き生きとそこにいらっしゃったのでしょう。
もうひとつ、これが遺髪であれば、その方に思いを寄せるだけでなくメメント・モリのブローチとも考えられます。メメント・モリは「常に死を想い、今日を大切に生きよ。」という生者への警句であり、死にまつわるものを身近に置くことは決して忌むべきことではなかったのです。
シンプルな意匠ですが綺麗に編まれて整った質感、落ち着いてどこか温かみのある調和のとれた色彩、このお品の持つ全てが背後の深い想いを優しく語っているようです。
19世紀から20世紀初頭のイギリス製。サイズは約2×1.5センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。