薔薇色のボンボニエール
透明なガラスに濃いローズピンクの彩色、さらに金と白の盛り上げたエナメルで模様を描いたボンボニエールです。ガラスに施された黒みを帯びた彩色は光の中にも翳りがあり、スイートな笑顔にふとのぞく一抹の哀しみといった趣です。
蔓模様は白に金で縁取られ、さらに細やかな植物が描かれ、生命の曲線と直線やドットが巧みに組み合わされています。エナメルが古色を帯び、陰影を深め、どこか神秘的な雰囲気すら感じさせます。
ボンボニエールは、本来、結婚などのお祝いの時に、ドラジェというアーモンドの砂糖菓子を詰めてお客様に差し上げるためのガラス器でした。このお品の佇まいは、かつての健やかな美しさは偲ばれながらも、降り積もる時の流れはそれ以上のより深い表情を育んだ、とでも言えばよいのでしょうか。
売り主の情報では19世紀中頃のものとのことですが、少なくとも1900年前後までのフランスでの製作と思われます。
サイズは直径が約10センチ、高さが約6センチです。
古いものですので彩色に傷や擦れがあり、それ以外にも傷や汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。