楕円形のモルフォ蝶のブローチです。収められた天然の蝶の羽は光の具合で様々な表情を見せますが、こちらのお品は光沢のある美しい青がまず目を引き、光の角度でそれが陰りのある紺へと移り変わっていきます。全体がただ青いのではなく、周囲には黒に近い濃紺の影の部分があり、両者が美しいコントラストを見せています。また、自然光の元では紫を帯びる瞬間もありますが、これはモルフォ蝶を使ったものの中でも珍しく印象的な景色です。
さらに羽に走る脈が不思議な立体感を生み、光の青と陰の濃紺がせめぎ合う複雑な模様が描かれ、単なる色彩の変化だけではなく、まるで未知の天体の地表を軌道上の宇宙船から見ているかのようです。
ケースは銀の純度が92.5%以上のスターリングシルバーで、シンプルな意匠と素材の鈍い艶が様々に変化する羽の表情をより引き立てています。

1920〜30年代、アール・デコの時代のイギリス製で、サイズは約2.3×1.8センチです。
古いものですので若干の傷や汚れがあります。