シルバーのロケットペンダントです。中にものを入れることができ、蓋はしっかりと開閉します。小振りですが、それだけに、自分だけの秘密のお品をひっそりと身につけておくことができそうです。
銀の純度が92.5%以上のスターリングシルバーですので、素材そのものの古色を帯びた質感をお楽しみいただけます。全体に細かく植物をモチーフにした模様が彫り込まれておりますが、かつての持ち主に長く愛用されたお品らしく、その歪みや摩耗により陰影を深めた佇まいからは、どこか秘密めいた雰囲気すら漂ってきます。
合わせたカードは黒地に薔薇のお洒落な意匠ですが、全体にぼんやりとしたタッチで、こちらもどことなく懐かしいような不思議な雰囲気を纏っています。こちらはパリの北東、アルデンヌの森に近づいた辺りにあるルテルの町の染色工房 "E. GODARD" の宣伝カードで、「パリ仕立ての染物」などと裏にありますから、精一杯気取った絵柄にしたのかも知れません。しかし、その古いレトロな佇まいからは石造りの家々、茶色の屋根、町の中央には聖堂があり、少し歩けば緑の豊かな草原が広がり、木々の間を川が流れる、そんなフランスの町の風景が思い浮かぶようです。
これらのお品をお手元に置いて、今となっては夢のような不確かな記憶、秘密や大切な思い出や遠い場所、様々なものが時空を超えてない交ぜになったような旅へとどうぞお出かけください。

ロケットペンダント、カードともに20世紀前半までのもので、ペンダントはイギリス製、カードはフランス製です。
サイズは、ペンダントが約1.3×1.8センチ、チェーンは現行品で長さが約43センチで、カードは約11.3×7.2センチです。
どちらも古いものですので、ペンダントにはへこみ、傷、汚れが、カードにも傷、汚れがあります。