ピエロの貯金箱
赤い帽子に白塗りの顔の目付きの悪いおじさんが「ほれっ」とばかりに手を差し出しています。これは小銭でもせびっているのかとあたりをつけて掌にお金を置くとその刹那、パクッと飲み込んでしまいます。流石に硬貨を飲み込むのはそれなりに大変と見えて、その瞬間、白眼を向いていますね。
本当は向かって右の肩の後ろにあるレバーを下げると手が動いて硬貨を口に持っていくという貯金箱なのですが、白眼を剥くというのも嘘ではありません。硬貨を飲むのは苦労というのも事実のようで、500円玉は無理のようです。
鮮やかなペンキを塗られた重い鋳物の身体には長い年月が降り積もり、愛嬌と言えばいいのか、哀愁と言えばいいのか、はたまた数え切れない人生のドラマを見てきた存在感と言うのでしょうか。見る人によって感じ方が全く変わり、その人の心を映し出すような何とも言えない表情を浮かべて佇んでいます。世界の何処かの片隅で、長い長い間「パクリ」を繰り返し、そして今も、これからもパクリを繰り返すピエロのおじさんです。
20世紀前半までのアメリカ合衆国製で、サイズは横幅が最大約13センチ、高さが約17センチです。
プラスのネジが使われていますので、一部、修復された可能性がありますが、レバーの操作で腕、眼は動作します。
古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。