2色のアザミが咲いているシルバーのブローチです。色違いの2輪がまるで袂を分かつように咲く意匠は、その姿が爽快にさえ感じられてとても印象的です。
茎や葉を造るシルバーは長い年月を経て黒味を帯び、そこには時の流れだけが生むことのできる深い陰影が刻まれています。こちらは銀の純度が92.5%以上のスターリングシルバーで、素材そのものの質感を味わうことができます。
アザミの花言葉は「独立」「高潔な人格」そして「人間嫌い」で、それは13世紀、外敵からスコットランドを救ったという逸話にもちなむものですが、そうした人格、生き方の先にあるものはやはり「孤高の存在」でしょう。人生の年輪を刻んだような深い陰影と、無言で独立独歩を語るような佇まいには、その言葉がふさわしいと思います。
銀の刻印とメーカーズマークから、バーミンガムの検定所で1911年に検定を受けており、Crisford & Norris社製であることがわかります。当社は19世紀の終わりにバーミンガムで創業し、優れた細工の銀製品を生み出しています。なお、2色の花弁の素材ははっきりとはしませんが、綺麗にカラーリングした透明度の高い樹脂かもしれません。

サイズは横幅が約4.3センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。