クリアなガラスにぼんやりと青白い筋やドットが浮かぶ蓋つきのポットです。透明度が高い厚手のガラスは貴族の邸宅の庭にあるパビリオンを思わせるフォルムで、床面の綺麗にカットされた模様を曲面のガラスに透かして見ると、まるで少し空間が歪んだ世界を外から覗いているかのようです。その柱にあたる部分に光を含む青白いもやがスッと走り、角の部分にはやはり青白い粒がポツリポツリと浮かびます。全体が靄で霞むようなオパールセントガラスとは違う、クリアな光が踊る中に青白い光の筋が立ち上がる、誰かが光の魔法をかけた世界のようなユニークな意匠のお品です。
陽の光を浴びると全体がまるでレモンを搾ったような薄い色に染まり、また別の妖精たちの仕業ような表情がお楽しみいただけます。
アメリカ合衆国、フェントン社製で、大量生産が多いアメリカにあって熟練した職人によるハンドメイドにこだわった当社は、丁寧な仕上がりの美術性の高い製品が特徴とされてきました。こちらのお品物は1983年頃の製作と推定されます。

サイズは、直径が最大で約12センチ、高さが約16センチです。
古いものですので若干の汚れなどはありますが、目立った欠けなどはなく、時代の割りによい状態です。