ガラスは透明度の高いクリスタルガラスなのでどっしりと厚みがあります。そこにカードを合わせて、真鍮の台座で上下を固定すれば出来上がり。額縁がなく美しいガラスが1枚だけ立っているようなとてもシンプルな仕組みのフレームですが、レトロなガラスとリボンの意匠をあしらった真鍮の古色を帯びたコンビネーションがとても素敵です。
合わせた写真は "Ogden's Guinea Gold Cigarettes" というタバコ会社が1894年から1907年頃まで発行していたおまけのシガレットカードです。これは当時の各界の著名人のブロマイドで、なんと全部で225種類あり、その中にはエジソンから伊藤博文まで入っていたのです。
この4枚は19世紀の終わりから20世紀初頭、アール・ヌーヴォーの頃に活躍した女優、ダンサー、歌姫のものです。そのうちの、頭に翼をつけて写っている "Rose Demay" は史上初めてサイクリングをした女性のひとりだそうで、女性解放の時代の雰囲気が感じられますね。
フレームはシガレットカードよりもさらに古いものと思われますが、こうしてカードを飾ってみれば、世紀末から新しい世紀へと移り変わる光と陰の時代へと時空を超えた旅に出発できそうです。

フレームはフランス製で、サイズはガラス部分が約6.5×10.5センチです。
シガレットカードはイギリス製で、サイズは約4×6センチです。
どちらも古いものですので傷、汚れがあります。