カニヴェとは聖画の周囲をレース状の透かし細工で飾ったものです。修道女などが作り、修道院などで販売して運営の資金にしていたとも言われています。とても精巧で美しい造りには祈りの気持ちも込められていることでしょう。
こちらのホーリーカードは「十字架の道行き」と呼ばれ、本来は聖地を巡礼した際にイエス・キリストの捕縛から復活までの15の場面に合わせて、その場所で祈りを捧げる儀式なのです。聖画はそれを模しているのですが、通常、埋葬までの14の場面が描かれます。このカードも茨の冠を被るキリストを14の絵が取り巻き、裏にはその解説があります。
合わせたブレスレットは、メダルに聖杯を前にしたイエス・キリストが、反対の面にはイエスの肉体であるパンを表す小麦と血である葡萄酒を表す葡萄が浮き彫りになっています。クリアな球は樹脂かと思われますが、簡素な中にも清らかな雰囲気が漂うお品です。

カニヴェは19世紀から20世紀初頭、ブレスレットもほぼ同時期から20世紀前半までの、どちらもフランス製です。
サイズは、カニヴェが約7.7×12センチ、ブレスレットはメダルが直径約1.5センチ、チェーン部分が長さ約19.5センチです。
古いものですのでどちらにも傷、汚れがあります。