「ナザレの花」と題され、周囲にレース状の装飾を施されたカニヴェに本物の植物と幼子イエスの絵が貼り付けられたホーリーカードです。
ナザレにはマリアの少女時代の家があり、受胎告知は当地の井戸で行われたととする福音書もあります。その家の跡とされる場所には4世紀より受胎告知教会が建てられています。また、イエスが幼少期を過ごしたとされる地でもあり、キリスト教では大変重要な聖地となっているのです。
カードの下部には「受胎告知教会の祭壇に置かれた」との記載もあり、この花々は実際にナザレで教会の祭壇にお供えされてから貼り付けられたものです。
かつて、現在のイスラエルにあるナザレにヨーロッパから巡礼に行くことはそう簡単にできることではなかったでしょう。そう考えると、このホーリーカードはとても大切なものであったと思われます。

19世紀から20世紀前半までのフランス製で、サイズは約6.8×11センチです。
古いものですので押し花に欠損があり、カニヴェに切れが、また他にも傷、汚れがあります。