アール・ヌーヴォーのブローチ
植物をモチーフにしたうねるようなアール・ヌーヴォーの意匠、そのシルバーが長い年月を経て陰影を深めるとどこか神秘的な雰囲気を帯びてきます。台座のシルバーは刻印が判読できませんが、銀の純度92.5%以上のスターリングシルバーと思われます。
ところどころに配置された粒はペーストガラスで、古色を帯びてはいますが、角度によって鋭い光を放ち、クリアな粒たちが中央の黒味のある一粒を守っているかのようで、下で揺れる葉と相まってこれも呪術的な意味を持っているかのように思えてきます。
ペーストガラスはロウソクの灯りの元でのダイヤと言われ、19世紀末から20世紀初頭、宝石の希少性よりもデザインの素晴らしさに重きをおいたデザイナーたちによって多用されました。
その生命力を感じさせる優れたデザインと長い時の流れのコラボレーションが、現代に素晴らしい作品を生み出したと言えるでしょう。
1900年頃のイギリス製で、サイズは約3×4.5センチです。
ペーストガラスの粒が2箇所欠損しています。また、古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。