すみれ色のブローチペンダント
こちらのすみれ色は紫色の水に黒を垂らし、そこに僅かに赤を添えたと言った色味でしょうか。しかし、綺麗にカットされた大粒のガラスですから、そこにさらに光が差します。つけている方の動きに合わせて陰の中を移ろう微かな煌めきは、まるで深い水底を覗き込んでいるかのようです。
台座は細かい植物モチーフの浮き彫りで、金メッキよりずっと層の厚い金張りです。素材の落ち着いた艶がどこか神秘的で、魔法で全てを金に変えられた庭に、それだけ生きて咲く菫のような趣のお品です。
『巨万の富を得た男はそれにも満足できず、悪魔を召喚し全てを金に変えさせた。もちろん彼自身も魔法陣を描いた庭で金になった。「ああ、なぜ私は小さな幸せで満ち足りることができなかったのか。」冷えて行く意識の中で、彼は後悔した。やがてその庭に咲いた一輪の菫は神の憐憫の印だったのかも知れない。』(ただの作り話 4)
ヴィクトリア朝のイギリス、1880年代の製作と思われます。
サイズは約3×2.5センチ、チェーンは現行品で長さが約43センチです。ピンもついていますのでブローチとしてもお使いいただけます。
古いものですので傷、歪み、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。