20世紀初頭、1910年代のポストカードをスミレをテーマに集めてみました。
まず1910年3月25日に投函されたカードには金色を背景に不思議な立体感を持ったスミレが印刷され、19世紀初頭、イギリスの詩人 レティシア・エリザベス・ランドンのスミレに寄せた詩が引用されています。
次は1912年3月22日に投函されたバースデイカードです。このころのカードは本当に手が込んでいて、微妙な色調がとても美しいですね。
2枚ともスミレを選んだのはやはり早春の時期だからでしょうか。
最後の一枚は1915年の元旦に投函されたバースデイカードものです。「ちょっと遅れるだろうけれど、とにかく心からお祝いを言うよ。」で始まり「列車に乗り遅れたわけじゃないんだ。明日の朝には着くよ。」と続くのは、かなりのうっかりさんなのでしょうか。「素敵な誕生日とよい一年を願っているよ。」となんとか話をまとめたようです。
表は美しさの中に威厳も感じられる重厚なカードなのに、ちょっと遅れたから奮発したのかも知れません。
今とは違う印刷や意匠に実際に触れ、100年以上前に存在した人々の気配や想いを感じて、たった3枚のカードからこんなにもたやすく時空を超えられるのです。

1910年代のアメリカ合衆国製と思われ、サイズはそれぞれ約9×14センチです。
どのカードも古く、実際に使われたものですので傷や折れ、汚れがあります。