春のデミタスカップ
いつまでも吹き続けるかと思われた冷たい風もいつしか姿をひそめ、春風が暖かく優しく吹き抜ける季節が訪れました。そのような声がどこからか聞こえてくるようなカップアンドソーサーです。
桃色や青の花々、葉の優しい緑、そこに艶やかな色を纏って描かれた鳥は燕でしょう。燕はキリスト教では「復活」の象徴であり、西洋でも日本でも幸運をもたらす鳥とされています。そういえば、このお品の手描きの絵の優しく暖かい色彩やタッチは19世紀後半、ヨーロッパで流行したジャポニスムの影響を受けているのかもしれません。
カップの生地はパリッとして薄く、しかし手洗いすれば実用に耐える強度です。小振で可愛らしく、幸せな雰囲気に包まれたデミタスカップをどうぞお手元で愛でていただければ幸いです。少し濃く淹れたコーヒーをどうぞひとくち召し上がれ。
ポーセリンマークがなく、製造年、製作された窯の詳細は不明ですが、19世紀後半のフランス製と思われます。
サイズは、カップ開口部の口径が約5センチ、高さが約4.5センチで、受け皿の直径が最大約12センチ、最小約9.5センチです。
開口部の縁に小さな欠けがあり、古いものですので、他にも傷や汚れ、絵柄の擦れなどがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。