ハートのバングル
渋い金色の輪に青い粒がみっつ置かれたバングルです。この金属の質感はまさに長い時の流れだけが生み出すものですね。実際によく使われたのでしょう。全体に滑らかに摩耗し、黒みを帯びて陰影を増した表情は、そこはかとなく凄みすら感じます。そこに下がる小さなハートは、単なる可愛らしさではなく、はるか昔の愛の物語をそっと囁くといった風情です。
鮮やかさと爽やかさを併せ持つ美しい青いガラスの粒は綺麗にカットされて穏やかな煌めきを見せています。中央の大きな粒がやや濃く、両側の小さな粒がやや薄く、このコントラストも素敵ですが、こちらはペーストガラスです。この美しいガラスは18世紀、宝石を模倣したいという強い願いから生まれ、19世紀には高貴なご婦人のイブニングドレスを飾るまでになっていました。
古色を帯びた鈍い金色と、楚々とした表面の裏に奥深いものを潜ませているような青、このふたつは本当によくお互いを引き立て合っています。
19世紀、ヴィクトリア朝のイギリス製。サイズはバングルの内径が約5.5センチです。
古いものですので歪み、傷、汚れがあります。
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