19世紀、フランスの聖水盤です。かなり大型ですので、教会や修道院で使われたものと思われます。十字架の四方と中央の金属の装飾、聖水盤の浮き彫り、キリスト像の肉体からその表情に至るまでとても手の込んだ造りになっています。それだけでも十分にかつてこの聖水盤の前に立った人々の心を打ったでしょうが、それがさらに古色を帯びてそのニュアンスを濃くし、今、現在、このお品が纏う雰囲気、その佇まいはまさに長い時の流れだけが生み出すことのできるものと言えます。

サイズは約17.4×35.5センチで、裏に壁にかけるための環があります。
古いものですので前面、背面ともに傷、剥がれ、汚れがあります。