オパールセントガラスの聖テレーズ半身像です。オパールセントガラスは、ガラスとは思えない柔らかな質感で青白く佇む雰囲気ですが、光の加減で様々にアプリコットの遊色を浮かび上がらせます。こちらのお品は、まず何と言っても内部から発光しているかのような青白い色調が美しく、さらに像の流れるようなおうとつやローブの襞に合わせて濃く、薄く、ぼんやりと幻想的な遊色を浮かべます。また背後から光をあてるとお顔が特に濃く色を帯びて浮かび上がり、目の周りに宿るレモン色の煌めきも印象的です。ぜひ自然光でご覧ください。
リジューの聖テレーズは小さき花のテレジアとも呼ばれ、19世紀、フランスに生まれ、16歳で修道院に入ります。その後、24歳で若くして亡くなりますが、亡くなる直前に「私は地上に善を為すために天での時を過ごしましょう。私は天から薔薇の雨を降らせましょう。」と言い残し、死後、彼女のとりなしによると思われる奇跡は現在まで続いています。その後、異例の早さで列聖され、フランス第2の守護聖人であるとともに、病人、弱い人たちや子どもたちの守護聖人ともされます。
半身像とは言え横幅が約14センチ、高さが約17センチとかなり大振りで、その表情や優しい眼差しにも存在感があります。

1940年までのフランス製。
台座部分や背後に何箇所か小さな欠けやひび、傷がありますが崩壊するような状態ではありません。また古いものですので若干の汚れがあります。