ローマンガラス 「嵐の海」
こちらはローマンガラスと申しまして、ローマ帝政開始以降のローマ帝国内で作られたガラスです。その後、1000年以上地中にあったため土中の他の成分と様々な化学変化を起こしており、それぞれがそれこそ長い年月と偶然が生み出す複雑で独特な表情と質感を持っています。
こちらのお品は波が白く渦巻く嵐の海です。うねる高波の狭間に見える深い深い緑色は、想像を絶する深淵とそこにうごめく生命の気配を感じさせます。自然の力に翻弄される船の上でそれを垣間見た船乗りたちは恐怖に震え、しかし、中にはその崇高な美しさに違う意味で心を震わせた船員もおり、そのようなことから海への畏敬の念が生まれたのかもしれません。
高台の底の面に美しい虹色の光沢が見えますが、これは銀化という時の流れが生んだ化学変化のひとつです。黒い雲の隙間からついに陽光と青空がちらりと顔を出し、それを見た船乗りたちが喜びの声をあげる大団円の場面というところでしょうか。
こちらは出土後、専門家による修復がしてあります。その為、完品よりもお求めやすくなっております。元々は香油などを入れる小型の瓶ですが、隙間がございますので液体は入れないで下さい。ドライフラワーなどを挿しても素敵ですね。
サイズは高さが約7センチです。
古いものの風合いをご理解の上、お求めください。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。