オパールセントガラスの大皿
乳白の周囲をぼんやりと青白い線が取り巻いています。光を浴びると薄いアプリコットの遊色を浮かべ、反対側に引く光の帯はもう少し薄くレモン色に近くなります。
こちらはガラスらしからぬ柔らかな肌触り、青白くぼんやりとした佇まい、さらに光線の加減で浮かべる遊色が特徴のオパールセントガラスの楕円形大皿です。そのどこか靄に包まれてふわりと浮かんでいるような姿は夢に出てくるもののようです。中でもこちらは周囲に花びらのような縁取りをつけただけのプレーンな造形で、本体の幻想的な質感がよく生かされています。
このお品はアメリカのガラス器メーカー "Macbeth-Evans Glass Company" の "Petalware" というシリーズのひとつで、"petal" とは「花びら」という意味です。1930年代、世間では磁器の食器が流行していたのですが、当社はその市場にそれに負けないガラスの製品で参入する計画を立てました。そしてボーンチャイナに負けない滑らかな肌触りと強度を持つガラス器を作り出したのですが、この大皿もそのひとつというわけです。
どこまでもプレーンな造形、清らかでありながらどこか夢見がちな雰囲気は、遥か東洋の国から西欧へと旅したものがさらに新大陸でそのついの形を成した故なのかもしれません。
1930年代、アメリカ合衆国製で、サイズは約32×24.5センチです。
古いものですので若干の傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。