金色の台座にシードパールの三日月、その中に煌めく紫の粒がひとつ。現実の天空では見ることのできない景色ですが、とてもロマンティックで美しく、なんとも魅力的な取り合わせです。
真ん中の綺麗にカットされた紫の粒はアメジストではないかと思われます。金メッキは未だ煌めきを残し、シードパールもそれぞれに白く光を宿しています。
今回、オリジナルではないのですが、このバータイプブローチにぴったりの雰囲気のケースがありましたのでおつけします。外は黒に近い深みのあるグレー、しかし中は一転、エンジのベルベット、薔薇色のシルクに金文字という、闇の支配する夜空に煌々と輝く月を置くに相応しい舞台かと思います。イギリス、バーミンガムの金細工師 "MARSH&Co." のケースです。

ブローチは20世紀前半までのイギリス、あるいはアメリカ合衆国製。ケースも同時代かもう少し古いものと思われます。アメジスト、シードパールについては買い付け時の情報により、その後、正式な鑑定はしておりません。
サイズはバーを含めた長さが約5センチ、三日月の直径が約1.3センチです。
三日月の下方のシードパールが3粒欠損しています。また古いものですので、ブローチ、ケースともに傷、汚れがあります。