植物と曲線が組み合わせられた不思議な意匠、何か秘密の印を思わせるペンダントです。台座は金メッキですが、古色を帯びて陰影を深め、長い時間の流れだけが生み出すことのできる質感になっています。その中央で薔薇色に煌めく粒は綺麗にカットされたペーストガラスですが、周囲の古びた風合いの金属とのコントラストがとても神秘的な雰囲気です。
ペーストガラスは遥か昔から宝石を再現しようとする歴史の中で生まれ、高貴な人々にも広く支持され、19世紀、ヴィクトリア朝の頃にそのピークを迎えました。そして、世紀末を経て新しい世紀に入った時代、優れたデザインに希少な宝石の代わりにガラスのジュエリーを合わせ、より自由で独特な表現を現実のものとするようになったのです。
こちらも19世紀末から1910年まで、ヴィクトリア朝末からエドワード朝のイギリスで製作されたお品です。

サイズは約3×3センチ、チェーンは現行品で長さが約43センチです。
古いものですので、ペーストガラス、台座ともに傷、汚れがあります。