植物をモチーフにしたうねるような浮き彫りに長い時の流れが積もり、その深い陰影を刻んだ銀色は神秘的などこか秘密めいた雰囲気です。その中央に縦長の粒が、クリアな中にほんの一瞬、どこか人を魅きつける煌めきを見せながら置かれています。
悪魔の作った鏡の破片が眼と心臓に刺さった少年の性格は一変してしまうのです。やがてその少年は雪の女王に魅入られ、それは彼を探す少女の長い旅の始まりでした。これはアンデルセンの童話ですが、この指輪のクールで少しデモーニッシュな佇まいから、この物語を連想してしまいました。
金属部分は特にホールマークは確認しておりませんが、シルバーと思われます。中央の石は、売主はトパーズと言っておりますが、カットされたガラスかもしれません。むしろ悪魔の作った鏡の破片と言った方が魅力的ですね。

20世紀初めの頃までのドイツ製。中央の石ないしはガラスのサイズが約0.3×0.7センチ、リングは日本の規格で大体15号程度です。
古いものですので傷、汚れがあります。