ほとんど黒にわずかに紅を帯びた印章面に、流麗な筆記体で "Charles" と彫られています。黒々と奥深い色味、光沢のある面にただひとつ記されたこの名前と対峙して、あなたは何を想われるでしょうか。印章をご紹介するたびに申し上げる事ですが、これは古いものを手にされた方の通過儀礼のようなものかも知れません。
持ち手には複雑な模様が浮き彫りにされ、その鈍い金色は深みのある印章面をさらに引き立てています。印章面はガラス、持ち手は金の塗装と思われますが、２つが相まってよい雰囲気です。

製作年の詳細はわかりません。このスタイルはヴィクトリア朝よりも前、19世紀初め頃、ジョージ朝にも見られ、それから19世紀末まで、ヴィクトリア朝の何処かの間にイギリスで作られたものと思われます。
サイズは、印章面が約1.5×1.2センチ、持ち手の高さが約2.4センチです。チェーンは現行品で長さが約43センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。