やや薄くピンクがかってロゼワインを思わせるアメジストにアザミが彫られています。18世紀から19世紀の前半、ヴィクトリア朝より前のイギリス、ジョージ朝の印章です。印章面は未だ艶やかで、しっかりした陰影がとれます。
アザミはその棘でスコットランドを外敵から守ったことから、スコットランドの国花であり、その花言葉は「独立」「厳格」から「人間嫌い」とされることもあります。この印章もスコットランドで製作されたか、スコットランドに出自を持つ人の持ち物だったのかも知れません。
持ち手は、金メッキよりずっと層の厚い金張りで、古色を帯びた鈍い艶と重厚な質感をまとっています。持ち手上部のリング部分に修復の跡があります。

1830年までのイギリス製。サイズは印章面が約0.7×１センチ、持ち手の高さが約1.7センチで、チェーンは現行品で長さが約42センチです。
石については買い付け時の情報により、その後の正式な鑑定はしておりません。
古いものですので傷、汚れがありますが、陰影にかかる傷はありません。