気球に乗った貴婦人と花のブローチ
「これが私の願いです。」と題して、貴婦人が気球から「喜び」「健康」「幸福」などと書いたカードを撒いています。女性の湛える優しい表情も素敵なリトグラフに淡く美しい色味の手彩色。ポストカードにここまでと思ってしまうくらい素晴らしく手の込んだカードで、1907年12月31日にパリで投函されています。
気球は、19世紀中頃にはジュール・ベルヌの小説の登場人物に「アフリカ奥地を探検するのにこれほど安全な乗り物はない。」と言わしめるほど実用的、一般的になっていました。とは言え、このカードが投函されたのはライト兄弟が初飛行してわずか数年のことですから、まだまだ空を自由に飛び回れる時代ではありません。やはり空からご挨拶とは夢のあることだったのです。
ご挨拶といえばこのカードは大晦日の投函ですから、新年がよい年になるように祈っていますというご挨拶のカードだったのでしょう。
合わせた花のブローチは、上品なシルバーにアメジストを三粒、その周りには渋い煌めきのマーカサイトを散りばめた、落ち着いた華やかさの中にも少し神秘的な雰囲気を漂わせるお品です。この気球に乗ったご婦人にもよく似合いそうですね。
カードは1907年のフランス製。ブローチはカードと同時代かもう少し新しいフランス製。
サイズは、カードが約9×14センチ、ブローチが約2×5.5センチです。
ブローチの石については買い付け時の情報により、その後の正式な鑑定はしておりません。
古いものですので、どちらにも傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。