美しい青のガラスに爽やかな薄緑のエナメルでシャムロックが描かれています。シャムロックは三つ葉のクローバーのことで、5世紀、アイルランドで聖パトリックが三位一体を表すものとしました。現在はアイルランドの国花であり、この緑の葉が島中で見られるためにアイルランドは「エメラルドグリーンの島」と呼ばれるようになりました。また、セントパトリックスデイに緑色のものを身につけますが、本来はこのシャムロックの葉を胸に飾る代わりなのです。
綺麗なガラスのボンボニエールの中でも青のものは少々珍しく、こちらのお品は透明感もありながら程よく濃く、よい感じの色合いです。手書きのシャムロックは柔らかな立体感があり、合わせた金彩は長い時の流れで若干褪せていますが、その具合が優しいシャムロックのタッチとよく調和し、深みのあるガラスの青とも相まってとてもよい雰囲気です。
また、こちらのお品は真鍮の脚がついており、細かい装飾が古色を帯びて、ボンボニエール全体を高貴な感じにまとめています。

本体が空で蓋を開けたまま手を離すと、バランスを崩して倒れる恐れがあります。もし、蓋を開けて飾りたい場合は、底に少し重量のあるものを入れてバランスをとるとよいでしょう。

この美しい仕上がりから19世紀、チェコでの製作と思われますが、買い付け時の情報ではモーゼル社製とのことです。サイズは直径が約11センチで、脚を含めた高さが約11センチです。
真鍮の脚に一箇所切れがありますが、崩壊する状態ではなく、ぐらつきもありません。
製作社名は買い付け時の情報により、メーカーズマークは確認しておりません。
古いものですので擦れや傷、汚れがあります。