エメラルド色の大型ボンボニエール
エメラルドグリーンが美しいボンボニエールです。まずはガラスの鮮やかさが印象的で、次にはその大きさに目を奪われます。しかし、施された金彩も古色によるはげはありますが、未だ艶々とした輝きを残し、エナメルを盛り上げて描かれた装飾は粒のひとつひとつに到るまで艶と瑞々しさを湛えて魅力的です。それらは堂々としたフォルムに高貴な華を添え、全体に素晴らしい仕上がりのお品です。
こちらはアメリカ合衆国東部、メリーランド州のマウント・エアリーという町に住んでいる方から買い付けました。この町は1830年からあり、少し古い資料ですが2010年の調査で人口9,288人というのですから小さな町なのでしょう。そこに長らく住んだ売り主のお祖母様のものであった古い品々の中から見つかったとのことです。
そのようなわけで製作年、製作国の詳細は不明ですが、19世紀から20世紀初頭のヨーロッパのものと思われますので、そのお祖母様の前の世代のどなたかが持って来られたかアメリカに輸入されたものをお求めになったかして、それを受け継がれたのかもしれません。
ボンボニエールは、本来、ドラジェというアーモンドの砂糖菓子を詰めてお祝いの際に来客に渡すための容器なのです。もしかしたら、ヨーロッパの親戚の結婚式に出席して、そこでいただいたものを持ち帰ったのではなどというのも、あり得ないことではありませんね。もしそうだとしたら、このお品からみて相当なお金持ちのお式だったのではないでしょうか。
サイズは直径が約18センチ、高さが約7センチです。
蓋も大きいので、本体が空のまま蓋を開けて手を離すと転がってしまいますのでご注意ください。蓋を開けて飾りたい場合は、底に何か重量のあるものを入れるとよいでしょう。
古いものですので彩色、本体に擦れや若干の傷、汚れがあります。