オールドローズのボンボニエール
ガラスの硬質な殻を薄くくるりと剥いたような肌触りの緑の摺りガラスに立体感のある彩色でオールドローズが描かれたボンボニエールです。オールドローズは1867年以前に作出された薔薇の品種群を指し、現在、薔薇と言えば思い浮かぶすっきりとした花と比べてフリルのような花弁が多く、その優雅な姿と香りが特徴です。どこかクラシカルな感じのオールドローズは、曲線を組み合わせた造形、ガラスらしからぬふわりと柔らかな質感のこのボンボニエールに相応しい絵柄と言えましょう。花を描いたエナメルが深く微妙な色合いで、そこに古色が加わり、どこか懐かしい雰囲気が漂います。いつの間にか時の流れを遡り、かつての持ち主に想いを馳せてしまいそうなお品です。
ヨーロッパでは古くから、お祝いの折りにボンボンやドラジェなどの砂糖菓子を贈る風習がありました。そのお菓子を入れる菓子器をボンボ二エールと呼び、時代によってはたいへん装飾性の高いものになります。この手仕事の妙をぜひお手元でご覧下さい。
このボンボニエールは、中が空で蓋を開けた状態で手を離すと、蓋の重さでバランスを崩し転がってしまう恐れがありますので、ご注意ください。もし、蓋を開けて飾りたい時は、底に重量のあるものを入れるとよいでしょう。
19世紀から20世紀初頭のフランス製。サイズは、直径が約11センチ、高さが約8センチです。
古いものですので彩色にはげが、全体に傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。