上下を留めただけのシンプルな金属の枠に厚いクリスタルガラスが一枚。19世紀から20世紀初めのフォトフレームにはこのようなスタイルのものがありました。19世紀の後半には厚紙に貼った写真が手に入るようになったので、実際に写真も飾られたでしょうが、当時、今よりもたくさんあった素敵なカードも飾って楽しんだことでしょう。裏の縦の棒に挟むだけなので、透明度の高いクリスタルガラスならではの厚いガラスにカードが浮かんでいるようで、紙の端まで全て見えて、現在主流の額縁型よりもその質感から雰囲気まで楽しめると思います。
真鍮の枠にあしらったリボンが飾るカードに華を添えていますが、この金属部分が長い年月の古色を帯びて、どこか懐かしいよい感じです。
せっかくですので、一枚、このフレームによく合うホーリーカードをおつけします。周囲のレース状の縁取りがとても美しいカニヴェで、聖書を手に祈る女性と子どもたちが描かれ、「主の律法にすべての愛情を注ぎ、昼も夜もそれについて瞑想する人は幸せです。」との文言がフランス語で記されています。穏やかで幸せな雰囲気のカードです。ホーリーカードやデスカードを飾るのにぴったりのサイズです。

フレーム、ホーリーカードともに19世紀のフランス製。サイズは、フレームのガラス部分が約9.5×14.5センチ、カードが約7.3×11.6センチです。
古いものですので傷、しみ、汚れがあり、クリスタルガラスの角の縁に若干の欠けがあります。