周囲にヤドリギがあしらわれ、中には聖母子が浮き彫りになった柔らかく優しい雰囲気のブローチです。このブローチはパリの南西、ヴィオンの近くにあるシェンヌのノートル・ダム教会のものです。フランス語でシェンヌはコナラのことですが、当地に生えていた古いその木に集まる羊飼いたちのために、1494年、ひとりの司祭がそこにマリア様の小さな像を置いたことからこの教会は始まったのだそうです。
合わせたホーリーカードは聖母とともに現れた幼子の姿のイエスが、子どもたちに聖体のパンを与えています。これは初聖体拝領を記念したカードなのでしょう。ぼんやりと見える教会の表現や人々の表情、周囲のレース状のカニヴェも美しいカードになっています。

ブローチ、ホーリーカードともに19世紀から20世紀初めの頃までのフランス製。
サイズは、ブローチが約3.4×3センチ、カードが約8×12センチです。
どちらも古いものですので傷、汚れがありますが、カードは時代の割には大変よい状態です。