美しいアイビーグリーンの祈祷書です。表紙の装丁にあしらわれた真鍮の装飾もアイビーの葉をモチーフにしており、金属の古色を帯びた質感とベルベットの深いグリーンがよく合っていて、本当に素晴らしい佇まいです。
アイビーは常に緑で永遠の生を思わせることから「不滅」という花言葉もあり、それもこの意匠が選ばれた理由のひとつなのかもしれません。
中にはイエス・キリストと聖母マリアの図版が入っていますが、贖罪の主として十字架上にあるイエスは子どもの姿で描かれ、マリアも幼子イエスに祈りを捧げる姿が描かれています。
装丁から中の図版に至るまでがひとつに結ばれて何かを語りかけているような、そんな気持ちにさせる造りの祈祷書です。

出版年の記載はありませんが、19世紀、フランス、パリのものと思われます。
サイズは約8.5×12センチで、厚さが約3センチです。
古いものですので内外に傷、シミ、汚れがあります。