清楚で瑞々しいこの美しいビーズの薄い青はマリア様の色です。こちらのロザリオのクロスには「ルルドの貴婦人」の記念であるとの記載がありますが、ルルドは19世紀中頃、聖母マリア出現の奇跡の地であり、その後、大切な巡礼の地となりました。当時、聖母と出会った少女ベルナデッタは洞窟で貴婦人と出会い、その貴婦人は白い服に水色の帯を身につけていたと話したのです。そのマリア様を象徴する水色を美しいビーズに写して彼女に祈りを捧げるロザリオとしたのです。
このロザリオのクロスとチェーンをつなぐ部分には「アヴェ・マリア」を表すAとMを組み合わせたモノグラムがあり、そこにはやはりマリア様を象徴するフルール・ド・リスも組み込まれた凝った意匠になっています。さらに、そこにルルド巡礼の記念のメダイがつけられていますが、これはかつての持ち主がつけたものでしょう。ルルドへの巡礼の折にロザリオとともに求めたものか、ルルド再訪の際につけたのか、今となっては知る由もありませんが、そのままにしてお届けします。

19世紀の終わり頃から20世紀前半までのフランス製。サイズは、クロスが約2.5×5センチ、チェーンの長さが約82センチで、クロスとチェーンを繋ぐ部分が約16センチです。
ロザリオは本来、首からかけるものではないため、チェーンを切り離す環がついておりません。どうぞご注意ください。
古いものですので傷、汚れがあります。