ベルベットの祈祷書
祈祷書の装丁のベルベットは毛足が長めで深みのあるベージュ。そこに手の込んだ金色の装飾が施され、留め金も凝った意匠になっています。その装飾の金属に今でも残る輝きが不思議な立体感を感じさせます。扉は重厚な金インクが美しいリトグラフ、ほかにもよい仕上がりの図版が何枚も入っています。
上等なベルベットに金の装丁で、清らかでありながら、その華やかさは隠しようもないこの祈祷書の元の持ち主はどのような方だったのでしょう。そして信仰厚く、この祈祷書を長年、実際に使われたのでしょう。
古いものを手にする時、ふと時空を超えた世界に迷い込むことがあります。どのような方が、どのような人生をこの品とともに過ごされたのか。どうぞひととき、この祈祷書とともに、ここではない別の世界への旅をお楽しみください。
出版年の記載はありませんが19世紀末、フランス、パリで製作されたものと思われます。
サイズは約9×13.4センチ、厚さが約2.6センチです。
古いものですのでベルベットやページに汚れ、傷があり、ページにしみがあります。また、綴じに若干の切れがあります。留め金はきちんと締まりますが、若干の反り、がたつきがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。