不思議のメダイとホーリーカード
青く美しいこのメダイのデザインは「不思議のメダイ」と呼ばれるものです。1830年、修道女カトリーヌ・ラブレは、パリの修道院で2度に渡って聖母マリアの出現を目撃します。このメダイの両面のデザインは、その2度目の出現の様子がもとになっています。その時、マリア様は様々な色の指輪を身につけ、そこからは輝く光線が降り注ぎ、またその姿を取り囲むように楕円の枠があり、そこには"Ô Marie, conçue sans péché, priez pour nous qui avons recours à vous."「原罪無くして宿り給いし聖マリア、御身に寄り頼み奉るわれらのために祈り給え」の文字があったというのですが、その文字も再現されています。反対側のMに十字架が乗り、12個の星が取り巻き、イエスの聖心とマリアの汚れなき聖心が置かれた絵柄も、カトリーヌの目撃の通りです。
出現した聖母マリアは、この様子をメダイにし、それを身につけるものは大きな恵みを受けると語りました。
カトリーヌの証言から2年間の調査が行われ、メダイ製作の許可がおりました。その後、このメダイを身につけ聖母マリアに取り次ぎを願う人々に様々な奇跡が起こったため、いつしかこのメダイは「不思議のメダイ」と呼ばれるようになったのです。
合わせたホーリーカードも、マリア様の色である青いローブを纏った聖母の指からいく筋もの光が出ていますので、やはり不思議のメダイの絵柄からとった姿なのでしょう。
もうひとつ、こちらのマリア様は蛇を踏んでいますが、これは蛇に誘惑された女性エヴァと対比して、その蛇を踏む人として彼女を讃えているのです。
聖母マリアを象徴する百合の花やフルール・ド・リスも装飾のモチーフに使われ、柔らかく美しいカードになっています。
メダイ、カードともに20世紀初めの頃までのフランス製。メダイのサイズは約0.9×1.3センチ、チェーンは現行品で、長さが約40センチです。カードは約6.5×11.7センチです。
メダイの青い彩色に若干の欠けがあり、両方のお品ともに古いものですので、傷や汚れがあります。