ホーリーカードは頭上に神のみがあり、全てを見通す神の全能の目であるプロビデンスの目が置かれています。その下にはイエス・キリストとその聖心を表す茨の冠と血を流す心臓が、さらに聖母マリアの慈愛を表す薔薇の冠と心臓が続きます。
プロビデンスの目はフリーメイソンなどでも象徴的に用いられていますが、ここでは全能の神、そして犠牲と慈愛をひとつの十字架に表しています。
十字架は作法通り中心に木材を置き、その周りを金属で覆っています。裏側の左の横木の木材が失われていますが、キリスト像は長い時の流れを経て黒々とした表面に未だ鈍い光を残し、全体に古色を帯びたよい雰囲気です。

ホーリーカード、十字架ともに20世紀初め頃までのフランス製。サイズは、十字架が3×5.2センチ、チェーンは現行品で長さが約42センチで、カードは約8×12.3センチです。
どちらも古いものですので、前述の木の欠損の他、傷み、汚れがあります。