金色の枠にカットされたレモン色のガラスが一粒、両側を留められています。
このガラスには何かを彫り込んで印章として使うものだったのでしょう。しかし、ここには何も刻まれてはいません。その代わりに、長い年月を経た傷が、まるでこの透明なガラスに施された装飾のようです。篆刻などのできる方、あるいは依頼することができれば、これから何かを彫ることもできるかもしれません。
金属の枠は金メッキで、かつての煌きは鈍く変わり少し緑青も見られますが、それは古いものだけがまとうことのできる美しさなのかもしれません。

19世紀中頃、ヴィクトリア朝のイギリス製。ガラスは三面にカットされていますが、一面のサイズが約1.5×1.2センチ、持ち手の高さが約3センチで、チェーンは現行品で長さが約42センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。