聖テレーズのメダイとホーリーカード
「私は天から薔薇の雨を降らせましょう。」死に臨んでそう言い残した聖テレーズのセットです。
幼きイエスの聖テレーズは、1873年にフランスの信仰厚く仲のよい家庭に生まれました。しかし、彼女が4歳の時に母が亡くなり、その後、家庭の幸せにも次第に影が差します。それでも彼女とその姉妹たちは信仰を忘れませんでした。テレーズは早くから修道会への入会を希望し、ローマへの巡礼団に加わったおりには教皇に直訴までしますが、まだ幼いという理由で叶えられず、16歳でついに修道院へ入ることを許されます。その時に「幼きイエスのテレーズ」という修道名を受けたのです。
彼女は自分の天職を「愛」であると語り、どんな人にも愛をもって祈り善行をなすことを目標の第一歩としました。残念ながら身体が弱かった彼女は、24歳で病によって亡くなりますが、死の直前に「私は地上に善を為すために天での時を過ごしましょう。」と言い、さらに続けて前述した「薔薇の雨を降らせる」という言葉を言い残したのです。
死後も彼女が天でとりなしたとされる奇跡が起こり、彼女は聖人に加えられます。病人、弱い者、子どもの守護聖人とされ、ジャンヌ・ダルクに次ぐフランスの守護聖人でもあり、聖テレーズの大聖堂があるリジューは大切な巡礼の地となっています。
このセットのメダイ、ホーリーカードともに聖テレーズの姿と、言い残した「地上に善を為すために天で過ごす」の言葉の全文がフランス語で記されています。
それでは「薔薇の雨」はどこに行ったのでしょう。それはメダイにあります。十字架を持つ彼女の姿を浮き彫りにしたメダイそのものが薔薇の花びらになっているのです。
キリスト教徒でなくとも、私たちの周りにひっそりと隠れている様々な愛に想いを馳せるきっかけとしてそばに置いてみてはいかがでしょうか。
メダイ、カードともに20世紀の中頃までのフランス製。サイズは、カードが約6.4×11.5センチ、メダイが約1.3×1.5センチで、チェーンは現行品で長さが約42センチです。
古いものですので、どちらにも傷みや汚れがあります。