鹿の歯のブローチ
細かく編んだ綱のような細工の台座に綺麗な光沢のある白いものがふたつ。これは鹿の歯です。ドイツ、バイエルンでは鹿の歯を使った装飾品は伝統的な衣装を飾るものであり、狩りに幸運をもたらすお守りなのです。
19世紀中頃、ヴィクトリア女王の夫、ドイツ出身のアルバート公は鹿の歯で作ったネックレスをヴィクトリア女王に贈り、女王もこのドイツスタイルを気に入っていたのですがイギリスで一般に広まることはなく、このような装飾品の製作は19世紀でほとんど消えてしまったようです。
台座にホールマークは見えませんが、渋く古色を帯びた銀色が黒っぽいつやを残したよい質感ですので、素材はシルバーかも知れません。細工も手が込んでおり、当時はただ美しいだけでなく幸運を招く装飾品として身につけられていたのでしょう。
1890年ごろのドイツ製。サイズは台座のバーの長さが約5センチです。
歯を接着した跡があります。また、古いものですので傷、汚れ、歪みがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。